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麗しのミュゼ・デュ・ルーヴル

8時半に起き、10時ごろにルーヴル美術館に着いた。火曜日に入れなかったルーヴルの中へ、ようやく足を踏み入れることができた。

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ルーヴル美術館は、展示物それぞれのテーマに従って3つの棟(翼)に分かれていて、ドゥノン翼、シュリー翼、リシュリュー翼がある。1つの翼が美術館1館分ほどの広さを持ち、全て見て回るのは並大抵のことではない。一日使っても見終わるかどうか、という話も聞いていた僕は、この日一日を丸々ルーブル美術館に当てていた。実際、10時にドゥノン翼からスタートし、シュリー翼、リシュリュー翼と早歩きで回って、帰路についたのが17時頃だったと思う。

館内は観光客でごった返していた。サモトラケのニケ、ミロのヴィーナス、ダヴィンチのモナリザ‥特に有名な作品の前には、無数に人が立ち込めていて、身動きが取れないほどだった。モナリザは思っていたよりもずっと小さな作品で拍子抜けした。モナリザに限ったことではないが、有名な作品を、我先にとカメラやipadで撮影し、撮り終えたら実物を鑑賞することなく満足気にその場を後にするアジア人(中国人だろうか)のおばさんの多いこと。家に帰ってその写真を堪能するのだろうか。最初から売店で画集でも買えばよいのに、何と本末転倒な人たちだろうか‥

と、僕も何かわかったような言い振りをしているが、正直なところ、有名な作品以外は皆同じように見えてしまって、数時間で飽きてしまった。途中から、義務感のようなものに急かされて館内を回っていたような気がする。ダヴィンチ、ラファエロレンブラントフェルメール。彼らの作品は辛うじて印象に残っている。所詮は自分もミーハーな人間なんだろう。ただ、ドゥノン翼にあったドラクロワの「民衆を導く自由の女神」、作品の存在は知っていたが、実物を見るとその迫力に圧倒されて、その場でしばらく見とれてしまった。

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17時過ぎにルーヴルを出た。明日の昼には飛行機に乗り込むことになるが、悠長に土産を買っている時間があるか不安だった僕は、この日のうちに何かしら土産を買うことにした。とはいうものの、土産を売る店を即座に思いつかない。結局、フランスの大手スーパーマーケット・Monoprix(モノプリ)で良さげなものを買うことにした。誰が言ったか、スーパーと言ってもモノプリを侮ってはいけないらしく、品質と品揃えは他と一線を画しているらしい。それはどうだか知らないが、オペラの近くにあるモノプリを訪れ、職場の皆さんと、K先輩、後輩HにFAUCHONのチョコを買った。チョコだけで40ユーロ近くもかかってしまい、痛い出費であった。しかし、FAUCHONと言えばパリ発祥の有名なお菓子のブランドで、マドレーヌ寺院の前に本店があり(1日目に目の前を通っている)そこで買えばよいのに、スーパーで買ってしまうあたり、変なオチがついたと一人笑ってしまった。

 

この日、いよいよ所持金が尽きてしまった。土産代、明日の空港までの交通費等々を考えると、ほとんど手元に残らず、ルーヴルの昼食は館内にあるPAULでサンドイッチとスプライトを食べたのみ。夕飯にムニュを食べるお金も無く、ホテルの前で途方に暮れた。しばらくホテル周辺を歩いていると、「Pain de tradition」というパティスリーが、20時の閉店間近であった。パリ最後の夕飯がパンだとは、かなり寂しく感じてしまったが、致し方なくパンを2個買うことにした。これとこれ下さい、と店のおばさんにお願いすると、温めてあげるね、と電子レンジで温めてくれた。そしてパンを受け取ると、カタコトで「アリガトウ」と言ってくれ、僕は最後の最後で救われたような気持ちになった。

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ホテルの部屋で、サーモンがたくさん乗ったパンと、冷蔵庫に補充されたハイネケンを飲み、僕はパリ最後の夕食を味わった‥