歌瀬の宴

Hと秋のキャンプをするため、3連休を利用して熊本に帰省した。

10月19日にHが上京して飲んだ折、「やろうやろうと言っている秋キャンプを、そろそろ実行しよう」という話になり、11月半ばのこの3連休に白羽の矢が立ったのである。

出発日の11月21日、僕は成田空港を8時40分に発つ飛行機を予約していた。この便に乗るためには、朝4時半頃には起きて準備をしなければならない。前日は早めに寝た‥はずだったが、起きれなかった。気がつけば7時前だった。呆然となりながら、新たな便を取り直す。当初の便、2万円が無駄になってしまった‥

改めて10時に成田空港に着くも、今度は機体の整備不良で1時間以上出発が遅れるというではないか。結局、予定から4時間近く遅れて東京を発つことになってしまい、Hには平謝りであった。

福岡空港でHと合流し、彼の車で熊本の山都町へ向かった。途中、足りないキャンプ道具や食料を調達した。どんどん日が暮れてしまい、キャンプ場に着いたのは19時近かった。辺りが真っ暗になってから設営を始めるとは、初心者もびっくりである。

今回のキャンプには、僕の父も誘っていて、キャンプ場で彼も合流した。3人で設営を急ぐ。周りのキャンパーは夕食すら終えてのんびりと焚き火を囲んでいるのに、我々はペグを地面に打ち付ける音を響かせている。恥ずかしさを超えて笑ってしまった。

1時間で設営を終え、20時過ぎには食事にありついた。焚き火の上にダッチオーブンを置いて煮込む。Hが作ったきのこ汁である。つまみは、僕が一度はやりたかった燻製。チーズ、ちくわ、かまぼこ、ウィンナーをサクラチップでスモークした。なんとも言えないほのかな香りが美味かった。

f:id:b3rd:20151122202639j:plain

f:id:b3rd:20151121203501j:plain

ビールが無くなった後は、お湯で割ったジャック・ダニエルのテネシーハニーをちびちびと飲んだ。Hと僕が学生だった頃の話に花を咲かせた。23時ごろ、キャンプ場オーナーの「そろそろ消灯してくださーい」という声に従って、3人揃ってシュラフに潜った。

 

翌日、7時過ぎに目が覚めた。昨日のきのこ汁の残りを温めなおして食べた。

f:id:b3rd:20151122072622j:plain

この日は、キャンプ場近くにある「白岩山」に午前中から登ることにしていた。父の参加はここまでである。

Hの車で白岩山の登山口まで向かう。細い砂利道をひたすら登った先に「ごぼう畠登山口」はある。

f:id:b3rd:20151122103301j:plain

白岩山は高さ1600m近くもあるので、滅多に登山などしない僕達に果たして登りきれるのか、一体どれだけ時間がかかるのかと不安だったが、後になってよくよく調べてみると、この登山口は既に標高1400m付近だったそうである。心配するまでもなく、1時間足らずで登頂してしまった。

f:id:b3rd:20151122110530j:plain

f:id:b3rd:20151122112918j:plain

f:id:b3rd:20151122114734j:plain

山頂で湯を沸かし、コーヒーとシーフードヌードルを食べた。山頂で飲むコーヒーは格別に美味かった。

キャンプ場への帰り道、温泉に入った後、巷で有名だという肉屋を訪れた。この日の夜は焼き肉をしようと話していたのである。肉屋の女将さんが歳の割に美人で、言葉にのせられてついつい高い肉を買ってしまった。

f:id:b3rd:20151122202700j:plain

この日は明るいうちから夕飯にありつくことができた。焼き肉のほかに、Hがイカや野菜をホイル焼きにしてくれた。僕は昨日に引き続き燻製を作ることにした。今回はゆで卵とししゃも、ウィンナーをスモーク。ゆで卵の燻製はかなり美味かったが、ししゃもはどれだけ燻しても火が通らず半生だったので、結局網焼きにしてしまった。キャンプ場で買ったワインがよく進んだ。

 

最終日、8時頃に起床。Hがなかなか起きてこなかった。

肉を買いすぎて昨日の夜には食べきれず、朝から残りを食べることになった。起きたばかりの胃には非常に重いパンチだった。他、たまごスープや昨日の残りの燻製を食べた。

f:id:b3rd:20151123114021j:plain

12時までに撤収し、キャンプ場を後にした。オーナーの嫁さんがカナダ人で、とびきり美人だった。借りたダッチオーブンを返却した時、彼女が笑って言った「Perfect!」に僕たちは癒やされた。帰りの車の中で「Perfect!」の真似ばかりしていた。

 

熊本を離れる前に、Hが「何か食べたいものはあるか?」と聞いてきたので、僕は北熊本店のラーメンをリクエストした。北熊本店のラーメンは、常日頃からHも絶賛している。相変わらずここのラーメンは美味かった。

 

17時前に福岡空港に着き、Hと別れた。僕は空港隣の温泉で汗を流した後、飛行機に乗った。秋キャンプ、しかも2泊である。ややもすればキツイものになると思われたが、楽しく過ごせたのはHのおかげだ。彼に感謝したい。