ケニーズの宴

半年振りにAとキャンプに行った。

場所は埼玉県飯能市。都内から車で2時間ほどである。前回に続き今回もレンタカーを借りた。13日は朝から小雨がぱらついていたが、飯能に近づいたあたりから本格的に降り始めた。

キャンプサイトの設営はかなり大変だった。Aはどこかで安く買った、アウトドアには似合わない透明の雨合羽を着ていた。ペグを打つハンマーが雨で滑り、どこかへ飛んでいきそうになった。

我がテント・ローリーポーリー、そしてタープ・ムササビウィングの設営を一通り終えて、やあやあ待っていましたよと言わんばかりに二人でハイネケンの栓を開けた。外で飲む瓶ビールは何故こうも美味いのだろう。

f:id:b3rd:20170513185635j:plain

雨に濡れて身震いしていた我々は早速焚き火を始め、その上にスキレットを置いてピザ・アヒージョ・餃子などを楽しんだ。Hとキャンプをする時もそうだが、僕は調理にあまり明るくないので、道具の準備や手入れに徹する。この日の炊事班長はAであった。Aはざくざくと野菜を切り、淡々と塩こしょうで味を整えてオリーブオイルを注ぐ。A班長特製のアヒージョである。が、僕の調達してきたオリーブオイルの量が圧倒的に足りず、半ば野菜のオリーブオイル炒めのようになってしまった。

f:id:b3rd:20170513151332j:plain

f:id:b3rd:20170513160704j:plain

キャンプに来たら必ず行う、唯一僕主導の料理に燻製がある。熱燻は温度調整にかなり敏感にならなければならないところがあり、燻製器の温度計をヒヤヒヤしながら見ることになる。案の定、1回目の燻製は3段目のミックスナッツが黒い煙を上げて炎上し、失敗。しかし2回目は割とうまくいって、サクラチップの風味が豊かなししゃもが完成して一同歓喜の声が上がった。

f:id:b3rd:20170513154351j:plain

飽きることなく2人は飲み続け、瞬く間に空いたビールの缶が並んだ。酩酊しながら2人の調理は続く。我々最後のミッションはスキレットを使ったパエリアだった。が、酔った我々に正常な調理ができるはずもなく、水に戻したサフランを盛大にこぼすA。炒めた鶏肉を全て地面に落とす僕。最後の料理は散々であった。それでも、残った材料で作ったパエリアに思わず「美味い!」と叫んだのを記憶しているから、やはり野外で作る料理には格別の魅力があるのだと言える。

f:id:b3rd:20170513195126j:plain

翌日はコーヒーと、少量のパン・炒めたウインナーで済ませた。僕は前日から薬を飲むのを忘れていて、二日酔いも相まって急に体調が悪くなり、一言も喋れなくなってしまった。帰りは全てAに運転してもらった。車中、僕の震える吐息が聞こえてきて、尋常ではなかったとAが言っていた。キャンプ終わりの気だるさの残る中、運転を任され、隣の同乗者は死にそうになっている。Aには本当に申し訳なかった。

f:id:b3rd:20170514083744j:plain

今回のキャンプで、僕のものと同じスノーピークのシングルチタンマグをAにプレゼントした。関東でAとキャンプに行ったのは2回だけだったが、その思い出を忘れないでほしい。そしてAが九州に帰った時には、そのマグを持ってまたキャンプに来てほしい‥