僕は雑草

この連休は長野県の妻籠に旅行へ行くはずだったが、今週の火曜からずっと下痢になってしまい、病院にも行ったがなかなか体調が安定しないので、家で大人しく休暇を取ることにした。
予約していた民宿にキャンセルの電話を入れ、お代は払いますので。申し訳ないとお話したところ、代金はいいのでまた来てくださいとのこと。本当に人が良い方だった。体調が戻ったら必ずこの民宿に行こうと思う。

部屋で、YOSHII LOVINSONの「CALL ME」を聞いていた。
この曲は2005年1月、僕が高校2年生に発表された。ソロになった吉井和哉を代表する曲で、僕が一番好きな曲である。
吉井和哉YOSHII LOVINSON名義の時期と、現在の本名名義の2つの時期がある。LOVINSONの時期は、ソロになって自信のある曲が何ら作れなくなったこと、家族の崩壊、等々の理由から精神的に鬱が入っていたようで、曲調がかなり暗く重い。LOVINSONの時に出された2枚のアルバムの名前には対照的な色が用いられていながら、どちらも空虚感溢れる名前になっている(「at the BLACK HOLE」、「WHITE ROOM」)。特に2枚目のWHITE ROOMの頃は精神的にどん底だったのか、収録されている曲は自分の遺伝子を肯定するもの(「NATURALLY」)、自分を死んだ鳥に見立てて再起を願うもの(「PHOENIX」)、そして「CALL ME」等、自分の中の葛藤をひたすら歌ったものばかりである。一方で、40歳を超えたあたりから何かを悟ったのか、本名名義の活動になって、曲調は明るくどこか達観視したものになっている。
バンド時代の曲が好きなファンの一部は、LOVINSON時代のネガティブな曲に幻滅して彼から離れていったという。しかし僕としては、悩み苦しみながら作られた曲から、他にない心打つものが感じられて、この頃の曲がたまらなく好きだ。これまで「JAM」や「天国旅行」を数え切れないほど聞いてきたが、「CALL ME」は比べられないぐらい何度も聞いたと思う。
逆に言えば、正直言って今の吉井和哉の曲にはあまり心を打たれない。何を言いたいのかよくわからない。

「CALL ME」はとにかく詞が好きだ。日常の不条理さ、それに対する自分の無力さ、虚しさ、どうにかしたいがどうにもならない感、それが哀愁漂うメロディと相まって痛切に伝わってくる。
そして「雑草みたいにさりげなくアスファルトを突き破りたい」というフレーズが‥

久々に気持ち悪い文章を書いた。