Say hello to Griffith

朝6時20分、起床。暗がりの中、二段ベッドの上で服を着替え、早々に宿を発った。朝のサンフランシスコは少し寒い。朝焼けが綺麗である。30分ほど歩いてBARTのPowell St.駅に着いた。BARTの乗り方にも慣れたものだ。1時間でサンフランシスコ空港に到着した。

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3回目の国内線、使用するのは9月20日と同じユナイテッド航空である。前回とチェックイン方法は同じなので、受託手荷物を預けるのもスムーズだった。手荷物検査を済ませ、搭乗ゲートへ向かう途中、朝食でも食べようかと思っていたところにバーガーキングが現れた。パリでマクドナルドのバーガーを食べたのを思い出して、ここはバーガーの本場アメリカ、バーガーキングは如何なるものかと食べてみることに。

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「Supreme Breakfast Sandwich」‥朝の極上のサンドイッチをあなたに‥とでも言っているのだろうか。9.5ドルのそのセットを注文し、出てきたのは巨大な縦長のハンバーガー、大量のハッシュドポテト、XLサイズはありそうなコーヒー。普通、朝にこれだけのものを食べるだろうか‥?いや、ここで僕の普通は通用しないのだ。さすがアメリカ‥

9時55分、離陸。国内線にはめずらしく、ドリンクとスナックのサービスがあった。僕は水をお願いした。

1時間半ほどでロサンゼルス国際空港に到着。4日ぶりにロサンゼルスへ帰ってきた。空港内は相変わらず「Welcome to Los Angeles!」という無機質な放送が繰り返し流れている。

差し当たっての目的地はロス市内にある「カリフォルニア・サイエンス・センター」だ。まず、シャトルバスに乗ってメトロ・グリーンラインのLAX駅まで向かう。メトロというから地下鉄かと思いきや、高架橋の上に駅がある。メトロでは、東京のPASMOと同じようなチャージ型のICカード「tap」を使う。1回の乗車に均一1.75ドルが必要で、路線間の乗り換えは1回まで無料。LAX駅からWillowbrook駅までグリーンラインで行き、ブルーラインに乗り換えてダウンタウン方面へ。更にPico駅でエクスポラインに乗り換え、3駅ほどでExpo Park駅に着く。サイエンス・センターの最寄り駅である。

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サイエンス・センターは、生物の進化の話やら何やらが子供向けにわかりやすく解説された体験型施設だが、英語がよくわからない。それらより、僕の一番のお目当ては、スペースシャトルエンデバー」実機の展示である。本物の迫力は並々ならぬものがある。この機体が25回も大気圏を脱して宇宙空間に行ったのだ。最早我々の想像の範疇を超えたドラマがそこに広がっていて、思わず唾を飲んでしまう。

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15時ごろセンターを出て、またメトロに乗って7th Street駅へ。降りて10分ほど西へ歩くと、今日のホテルが見えてくる。が、場末のモーテル感が半端ない。あまりにも古い。フロントに行くと、無愛想な親父がいた。日本人がよく泊まるのか(世界の歩き方にも載っているし‥)ジェスチャーを交えて説明してくれるなど、割と真面目な対応だった。

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部屋の中に入ると、これまたかなり古い内装。こんな粗末な部屋は国内外を旅した中でも初めてだ。真っ暗なテレビに「Press Select Button!」と表示されているのに、リモコンがどこにも無い。お粗末過ぎる。とりあえず風呂に入ってみると‥ロクに掃除していなそうな水回りだ。女性の髪の毛が落ちていた。

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18時前からホテルの外に出て、近くにある「Original Pantry Cafe」に足を運んだ。「Cafe」なんて言っているが、れっきとしたステーキハウスである。地球の歩き方読者御用達の店らしい。そうとあれば行かないわけには行くまい。というわけで、地球の歩き方が「ニューヨークステーキが$21.50と他店では考えられない」と言っているニューヨークステーキを注文。太めのおばちゃんがオーダーを取りに来たので、僕は元気に「New York!」と言ってやった。

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出てきたステーキは、かなりでかい、でかいが食べられなくはない量だ‥しかし、ちょっとパサついている(ミディアムで注文したからか?)。そして、付け合せのマッシュポテトをカリカリに焼いたもの、これがかなり腹に来た。最後は、食べすぎて吐きそうになった。

19時半に、Eというツアー会社のワゴン車が僕を迎えにホテルへやって来た。この日の夜は、「グリフィス天文台」から夜景を見るツアーに参加することになっていたのだ。

グリフィス天文台はロス市内の山の上に建っていて、土日であれば往復バスが走っているものの、平日に一人で辿り着くことは不可能であることがわかった。グリフィスへ行くためには現地ツアーに参加するしかない。日本を発つ前、僕は色々なツアー会社が主催する現地ツアーを調べ上げた。しかし、JTBやHISなどの主要ツアー会社がやっているものは、どれも「ディナー付き」になっていて、ウン万円もするものばかりだった。そんな中、天文台へ連れて行ってくれるだけ、5,000円ぽっきりのツアーを主催していたのがE社だ。かなりニッチなツアー会社だ、信頼おけるのか‥と思いつつも、トラブルになったらそれはそれで面白い、と申し込んでみることにしたのである。

僕を迎えに来たドライバー兼ガイドは、ピエロのようなひょうきんな男だった。やはりニッチなツアー会社は一味違う。僕を乗せた後もロス市内を回って数人を拾い、最終的にツアー客は10人程度になった。

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ともかく、上に書いたように1人でグリフィスへ行くのは無理なので、こうやって連れて行ってもらえるのは本当にありがたかった。夜景ツアーと銘打っていて、確かに夜景にも興味はあったが、天文台の中をあちこち見て回ることができて嬉しかった。何を説明しているのかよくわからないものの、とにかく宇宙は壮大で、ロマンの塊なのだと感じた。もっと宇宙のことを知りたくなった。

22時に天文台を出て、ツアー客を各ホテルに降ろしていく。僕も自分のボロホテルの前に降ろしてもらった。23時過ぎの暗い夜道を歩き、多少のスリルを味わいながら、7th Streetのセブンイレブンに行った。水とキットカットを買って、ホテルに戻った。

もう一度風呂に入った後、グランドキャニオンで買ったポストカードを使って、日本の大事な人達に手紙を書いた。長かったアメリカ一人旅も、明日が最終日である。