29歳になって

東京都美術館で開かれている「ゴッホゴーギャン展」を見に行った。

2人は19世紀末に活躍したポスト印象派の画家。わずか2か月ではあるが、フランスのアルルで共同生活を送った。その時に描かれた「収穫」や「ゴーギャンの椅子」、ゴッホの死後、ゴーギャンゴッホを想って描いた「膝掛け椅子のひまわり」などが展示されていた。

何よりも驚いたのは、ゴッホが画家を志したのが27歳の時だということである。人生は30歳から始まる、それは最も活力に満ちているからだ、というようなことも言ったらしい。ゴッホは結局、精神に異常を来して37歳で自殺してしまったから、その格言に100%の説得力があるとも思わないが、彼が画家として業を成したのは確かだ。僕は今まで、人生のピークは20代にあると考えていて、その20代が終わろうとしていることに一つの絶望のような気持ちを感じていた。ゴッホの存在は僕を勇気づけてくれる。人生はもっと面白くできるのかもしれない。

8日に29歳になった。鏡の前に立つと、時折白髪を見つけることがある。肉体はどうあっても、心はいつまでも若くありたいものだ‥

たったこれだけの日記を書くのに1時間もかかってしまった。何年やってみても、日記を書くというのは難しい。